賃貸併用住宅

読んだ通りの意味で、自宅の建物の一部を賃貸住宅にした住まいのことをいいます。 例えば、二世帯住宅のように1つの建物が2つの住宅に分かれていて一方が大家の住宅、一方が賃貸住宅となっているケース、あるいは、2階と3階が大家の住宅となっており1階が4部屋の1ルーム賃貸アパートになっているケース、などさまざまなパターンがあります。 賃貸併用住宅には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

賃貸併用住宅のメリット

(1)家賃収入が得られる

賃貸併用住宅を持つということは、自分が賃貸住宅の大家になるということなので、借主からの家賃収入が得られるということになります。 自分が賃貸住宅に住んで家賃を払っていたり、住宅を購入して住宅ローンを支払っていたりするのではお金は出ていくだけですので、これは大きな差といえるでしょう。

(2)住宅ローンを軽減できる

通常、賃貸住宅を建築する際は、住宅ローンに比べて短期かつ高金利なアパートローン等のビジネス用ローンが適用されます。一方、賃貸併用住宅なら長期かつ低金利で借りられる住宅ローンの適用も可能なので、そうなればリスクも負担も当然少なくなります。 その代わり、賃貸併用住宅で住宅ローンを適用するには「自宅部分が51%以上(賃貸部分が49%以下)であること」という条件をクリアする必要があるので要注意です。

(3)ライフスタイルの変化にも対応しやすい

例えば、二世帯住宅の一方を将来賃貸住宅として貸し出すなど、将来のライフスタイルの変化も見据えた建築プランを立てることが可能です。 特に近年は、もともと大家族で暮らしていた大きな古い家を賃貸併用住宅に建て替えるというケースも多く見られます。

(4)減税効果もあり

不動産を相続する場合、自宅の敷地を相続するより、賃貸住宅が建っている敷地を相続する方が相続税課税評価額が低くなります。また、建物も自宅より賃貸住宅の方が評価額が低くなります(※1)。 さらに敷地面積が200㎡以上ある場合に知っておきたいのが、平成30年3月31日までに新築された住宅に適用される固定資産税の減額措置の特例です。これは、「1世帯あたり200㎡までの敷地の1/6を課税標準とする」という内容なので、敷地が200㎡以上の場合は賃貸併用住宅を建てた方が有利ということになります。

また、「小規模宅地等の特例」(※2)の条件に該当すれば、さらなる節税が期待できる場合もあります。
200㎡までの賃貸住宅用の敷地については、貸付事業用宅地等の評価減対象となり、50%減額されます。さらに配偶者や同居している子が、240㎡までの自宅の敷地を相続する場合、80%減額されます。

もし、土地や住宅を自分や親が所有しているという場合は、相続税の節税のために賃貸併用住宅や同居を検討するのもよいかもしれませんね。

賃貸併用住宅のデメリット

賃貸併用住宅は、もちろんメリットばかりではありません。デメリットや注意点についてもよく理解しましょう。

(1)賃貸オーナーとしての経営責任・リスクが生じる

ただ家を建てるのとは違い、自分がオーナーとなり賃貸物件を経営していくのだということを忘れてはいけません。 賃貸物件として貸し出せば、当然ながら空室リスクや借主のクレーム対応なども生じます。不動産経営のノウハウ、建物管理、税務など幅広い知識・スキル・手続きが求められるようになります。

(2)資金面の負担が大きくなる

賃貸経営がうまくいったとしても、実際に利益が生まれるのはまだまだずっと先の話。また、銀行から融資が受けられても、お金が借りられるタイミングと実際にお金が必要なタイミングには時間のズレがあります。要所要所で税金などの資金がかかり、気付くと払えるお金が手元に無い!なんてトラブルも珍しくはないのです。「つなぎ資金」についてもしっかり資金計画に盛り込んでおくようにしましょう。 また、お金を借りる時も一筋縄ではいきません。銀行によって対応はさまざま。借りたい額の融資を受けられない場合もあります。 上記の節税メリットについても、万人にあてはまるわけではなく千差万別なので、よく調査・確認をして決断する必要があるでしょう。

賃貸併用住宅を建てるには

まずは目的や要望を明確にして、しっかりとした経営計画を立てましょう。

自分の持っている/購入しようとしている土地にどんな賃貸併用住宅が建てられるかも事前に知っておく必要がありますね。賃貸併用住宅は、下記のように建てられる大きさが決まっています。

(敷地面積×容積率)−(自宅の広さ)=賃貸部分の最大面積

例えば、古くから建っている家で持て余している敷地部分や部屋がある場合などは、賃貸併用住宅へ建て替えることによって土地と住宅を今より有効利用できる可能性があるかもしれません。

また、賃貸併用住宅に詳しい不動産業者など、専門的なことについても相談できるようなアドバイザーがいると安心です。
不動産経営について不安がある場合は、サブリース契約という選択肢も。サブリース契約とは、オーナーと借主である入居者との間に不動産会社が入り、賃貸住宅の経営や入居者との直接的なやりとりを行ってくれることです。家賃収入は減ってしまいますが、自力でやるより安定的な経営を行うことができ、入居者とのトラブルも生じにくいのがメリットです。

そして、所得税の節税対策についても忘れないように。
利益が出れば、当然ながら所得税が課税されることになります。賃貸部分に投資した建築費、設備費等は減価償却費として毎年少しずつ経費に計上できるほか、賃貸部分のローン利息、固定資産税、損害保険料等も経費に計上できます。こうして所得税の課税対象額を減らすことで所得税の節税をすることができるので、サラリーマンの方でも確定申告は毎年きちんと行いましょう。

夢の不労所得が叶う?

自宅に住みながらにして家賃収入も得られる賃貸併用住宅。不労所得は魅力的ではありますが、同時にリスクを背負うことにもなります。 良い面ばかりでなく悪い面もよく考慮して、自分達家族にとってベストな方法を見つけましょう。

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